Archive
銘店の味アーカイブ
あの日 あの味 いつまでも。
Project
地元に愛される銘店の味を、
後世に残したい。
誰しもが持つ、思い出とともにある「あのお店のあの味」。決して全国的に有名なお店ではないけれど、自分にとって大切な銘店であり、家族や友人と一緒に食べたあの料理は、色褪せず記憶に残る大切な味です。
そんな思い出の味が、高齢化や継承者不足、人口減少や材料費の高騰などにより失われつつあります。銘店の味アーカイブは、地元の人々に長く親しまれている銘店の味を、誰でもどこでも気軽に食べられるカタチにして残していく取り組みです。
Stance
おいしさより、アツさ。
おいしい店はいくらでもあります。けれど、自分にとって特別な店は、数えられるほどしかありません。
私たちがこの取り組みで伝えたいのは、味の評価ではなく、その味を残したいと思う気持ちのほうです。思い出の味を守ることは、大切な思い出を守ることだと考えています。
Archive No.001 / 佐賀・大和町 ― 喜隆(きりゅう)
常連が恋しがる、喜隆の辛子高菜。
発売準備中
とんこつラーメンの店「喜隆」。その卓上に置かれた辛子高菜を目当てに通う人が、佐賀にはいます。ラーメンより先に高菜へ箸が伸びる。そんな味です。
全国的に知られた店ではありません。それでも、この味がないと困る人が確かにいる。私たちが「銘店」と呼ぶのは、こういうお店のことです。
あの卓上の味を、いつまでも。店の監修のもと、家庭で食べられるかたちにしました。
| アーカイブ番号 | No.001 |
|---|---|
| 銘店 | 喜隆(佐賀県佐賀市大和町) |
| 商品名 | 喜隆 辛子高菜 |
| 状態 | 発売準備中 |
Words
ことばの定義
このプロジェクトが使う3つの言葉には、それぞれ意味を決めています。
- 銘店
- 思い出のつまった大切なお店。
- 銘店の味
- あの日の思い出がよみがえる、あの味。
- 銘店の味アーカイブ
- 大切な思い出の味を、後世に残していく。
有名店であるかどうかは、条件にしていません。銘店かどうかを決めるのは知名度ではなく、だれかの記憶だからです。
Issue
なぜ、いま記録するのか
佐賀県の調査では、8割を超える人が「住んでいる地域が好きだ」と答えています。それでも、地元で愛されてきた老舗の閉店は続いています。高齢化、継承者不足、人口減少、材料費の高騰。理由はどれも、店の努力だけでは止められないものばかりです。
銘店の味は、店という場所とセットで存在しています。だから、店が閉じれば、その味を食べられる場所もなくなります。惜しむ声が残っても、味そのものは戻りません。
配合や手順が、書きものとして残っていないこともあります。長く続いた店ほど、手順は体で覚えられ、紙に書く必要がなかったからです。
失われてから記録することはできません。だから私たちは、店が続いているうちに動きます。
出典:佐賀県「令和4年度 佐賀県県民意識調査」(お住まいの地域が好きかという設問に対し、「好き」「まあ好き」の合計が82.3%)
Principles
商品にするときの、
3つの決めごと
店の味をあずかる以上、ここだけは崩しません。
01
店主の思いを、最優先する
商品開発で最初に立てるのは、私たちの都合ではなく店主の思いです。長く続けていくために、つくり手が前向きに参加できることを条件にします。
02
味の再現を、なにより重視する
「監修」の名を借りた別物にはしません。そのままであることを価値とし、店主に確かめてもらいながら、納得のいく一点まで調整を重ねます。
03
誰でも、どこでも食べられる形に
冷凍・チルド・レトルト。かたちは料理によって変えます。味を守るために最適な方法を選ぶのであって、つくりやすさで選ぶことはしません。
Steps
棚の広げかた
順番に意味があります。人気店から始めて、そこで終わりにしないための順番です。
STEP 1
地元の人気店の名物から
まず、多くの人が知っている味から始めます。プロジェクトの代名詞となる一品をつくり、取り組みそのものを知ってもらう段階です。
STEP 2
知る人ぞ知る店へ
ここからが本題です。人気にあやかるためではないことを、行動で示す段階。「銘店」という言葉の意味が、ここで回収されます。
STEP 3
リクエストされた店へ
残したい味を、通っていた人から教えてもらう段階です。何を残すかを決めるのが私たちだけではなくなったとき、この取り組みは続いていきます。
Archive No.000 / 佐賀ラーメン プロジェクト
「あの日の佐賀らーめん」は
商品化には届きませんでした。
記録のみ / 商品化には至りませんでした
佐賀のソウルフードを、常温で長く持つレトルトで再現する挑戦でした。9ヶ月と2回の量産の記録です。
ラーメン屋のスープは寸胴で煮出してつくります。けれど全国へ届けることを最初から目的にしていたため、量産に載せる方法から探しました。9ヶ月かけて、ようやくレシピが固まりました。2025年2月の発表会のあと、1週間で約2,000食のご予約をいただきました。
けれど量産の段階で、ロットごとの味のブレを解消できませんでした。1回目の3,500食は出荷を取りやめ、撹拌や冷却の工程を設計し直して臨んだ2回目でも、課題は残りました。
完成の見通しが立たない以上、お客様をお待たせし続けるわけにはいきません。2025年7月、発売の中止と、ご予約いただいた全員への返金を決めました。
残った在庫は廃棄せず、この挑戦に共感してくださった企業・団体のご協力で、実際に召し上がっていただきました。
うまくいかなかったことも、記録します。それが「アーカイブ」だと思うからです。